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公的支援・安全な借入更新 2026.10.16

税金の猶予・分納を申請する際の準備|必要書類と窓口で確認される事項

猶予や分割納付は申請にもとづく制度であり、申請しなければ適用されません。国税庁が公開している申請書・添付書類の区分、申請書に書く四項目、窓口で確認される「一時に納付が困難」の内容、担保の要否、提出の方法を、準備リストの形で整理しています。

税金の猶予・分納を申請する際の準備|必要書類と窓口で確認される事項

支払いを待ってほしいと窓口に伝えるだけでは、手続は進みません。猶予や分割納付は申請にもとづく制度であり、書類の提出と、定められた項目についての説明が必要です。国税庁も「猶予は納税者の方からの申請に基づいて適用することとなりますので、自動的には猶予を受けられません」と明記しています。本記事は、窓口に行く前・申請書を作成する前の準備リストです。手続の可否は窓口の判断となるため、本記事では扱いません。

その1 相談先の確認

国税庁のFAQは、税の種類と社会保険料で窓口が異なることを最初に示しています。

支払先相談窓口
法人税・源泉所得税・申告所得税・消費税など(国税)所轄の税務署(徴収担当)
市県民税・固定資産税・自動車税など(地方税)都道府県・市区町村の担当窓口
厚生年金保険料等日本年金機構
労働保険料都道府県労働局

出典:国税の納税の猶予制度に関するFAQ 問1(国税庁徴収課・令和6年11月)(2026年9月25日確認)

その2 持参する書類(国税の場合)

必ず必要な書類

  • 猶予申請書(換価の猶予申請書/納税の猶予申請書)
  • 猶予を受けようとする金額が100万円以下の場合:財産収支状況書
  • 猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合:財産目録 + 収支の明細書

用意しておくと手続が円滑に進む書類

国税庁のFAQは、「猶予の審査に当たり、納税者の方の状況等を確認させていただくことがあるため、元帳や売上帳などの収支状況の分かる書類、手元資金の現在高が分かる現金出納帳や預金通帳を準備していただくとスムーズな対応が可能です」としています。給与所得者であれば、給与明細や通帳がこれにあたる書類です。

すでに他で申請している場合

同じFAQには、「地方税、社会保険料等に猶予申請等をされた場合、その際の申請書や財産収支状況書等の写しを添付することで、一部の記載や書類の添付が省略できます」という記載があります。複数の支払先に相談している方は、控えを取っておくと手続の重複を減らすことができます。

出典:国税の納税の猶予制度に関するFAQ 問26(国税庁徴収課)(2026年9月25日確認)/納税に関する総合案内(国税庁・猶予申請書と添付書類の様式)(2026年9月25日確認)

その3 申請書に記載する四つの事項

国税徴収法151条の2第3項は、換価の猶予の申請書に記載する事項として次のものを挙げています。

  1. 一時に納付することにより事業の継続または生活の維持が困難となる事情の詳細
  2. その納付を困難とする金額
  3. 猶予を受けようとする期間
  4. 猶予に係る金額を分割して納付する場合の各納付期限と、各納付期限ごとの納付金額

そして、財産目録、担保の提供に関する書類その他政令で定める書類を添付して税務署長に提出するものとされています。出典:国税徴収法 第151条の2(e-Gov法令検索)(2026年9月25日確認)

記載方法が分からない場合は、国税庁が「猶予の申請の手引」を公開しており、申請書・財産収支状況書・財産目録・収支の明細書のそれぞれについて記載例が載っています。出典:猶予の申請の手引(国税庁)(2026年9月25日確認)

その4 窓口で確認される事項

「一時に納付が困難」の意味

国税庁のFAQは、この言葉を「納付すべき国税の全額を一時に納付する資金がないこと、または納付すべき国税の全額を一時に納付することにより納税者の事業の継続もしくは生活の維持を困難にすると認められること」と説明し、具体的には「納付可能金額(手元資金-当面の資金繰りに必要な額)が納付すべき国税の額に満たないケース」がこれに当たるとしています。

したがって、窓口では具体的な金額が確認されます。手元資金の額と、当面支出が予定されている額の二つを説明できるようにしておくことが、最も重要な準備です。なお「当面の資金繰りに必要な額」について、FAQは「一般的には、事業継続のため1か月以内に支出が予定されている金額は運転資金として納税資金から除外します」と述べています。

出典:国税の納税の猶予制度に関するFAQ 問16・問18(国税庁徴収課)(2026年9月25日確認)

担保について

猶予を受けるためには原則として担保の提供が必要ですが、国税庁は次のいずれかに該当する場合には担保が不要としています。

  • 猶予を受ける金額が100万円以下である場合
  • 猶予を受ける期間が3か月以内である場合
  • 提供することができる担保がない場合

出典:国税の納税の猶予制度に関するFAQ 問20(国税庁徴収課)(2026年9月25日確認)/納税に関する総合案内(国税庁)(2026年9月25日確認)

その5 期限の確認

  • 換価の猶予は、納期限から6か月以内の申請。国税徴収法151条の2第1項が定める期限です。「既に滞納がある場合や申請期限を過ぎた場合は、状況に応じて、税務署長の職権による猶予を検討します」ともされています。
  • 延滞税は納期限の翌日から発生する。国税庁は「納期限を過ぎて申請されると、納期限の翌日から猶予申請日の前日までの間は延滞税が軽減されないこととなります」と説明しています。早く申請するほど負担が小さくなる仕組みです。
  • 軽減・免除は申請日から。「猶予が許可された日にかかわらず、申請日から延滞税が軽減・免除されます」(FAQ問31)。審査に時間がかかっても、起点は申請日です。

参考までに、延滞税の割合は年ごとに定められています。令和8年(2026年)1月1日〜12月31日については、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、それ以降が年9.1%です。出典:延滞税の割合(国税庁)(2026年9月25日確認)/国税の納税の猶予制度に関するFAQ 問22・問23・問24・問31(国税庁徴収課)(2026年9月25日確認)

その6 三つの提出方法

  • e-Tax:スマートフォン・タブレット・パソコンから申請できます。e-Taxはメンテナンス時間を除き24時間利用可能とされています。
  • 郵送:書面で作成して送付できます。
  • 窓口:持参して提出することもできます。ただし国税庁は、税務署で相談のうえ提出したい場合について「ご相談の時間を十分に確保するほか、ご持参いただく資料などをお伝えする必要がありますので、電話等で事前に相談日時等をご連絡ください」としています。税務署の開庁時間は平日8時30分から17時までで、閉庁日は時間外収受箱への投函により提出できるとされています。

出典:国税の納税の猶予制度に関するFAQ 問27・問28・問30(国税庁徴収課)(2026年9月25日確認)/納税に関する総合案内(国税庁)(2026年9月25日確認)

その7 猶予が認められた後の手続

  • 所轄の税務署から猶予許可通知書が送付されます。
  • 猶予を受けられる期間は原則として1年以内で、「申請者の財産や収支の状況に応じて、最も早く国税を完納することができる期間」とされています。
  • 通知書に記載された分割納付金額を、それぞれの分割納付の日までに納付します。
  • 猶予期間内に納付ができないやむを得ない理由がある場合は、猶予期間を延長できるとされています。支払えなくなった場合は、放置せずに徴収担当に連絡してください。

出典:国税の納税の猶予制度に関するFAQ 問12〜問15(国税庁徴収課)(2026年9月25日確認)

準備するものの最終確認

  • □ 猶予申請書(換価の猶予/納税の猶予のどちらか)
  • □ 財産収支状況書(100万円以下)または 財産目録+収支の明細書(100万円超)
  • □ 預金通帳・現金出納帳など、手元資金の現在高が分かるもの
  • □ 給与明細、売上帳・元帳など、収支の状況が分かるもの
  • □ 家賃・光熱費・保険料など、当面の支出額が分かるもの
  • □ 納付書・課税の通知書(納期限と税額の確認のため)
  • □ 他の支払先に猶予を申請している場合は、その申請書・財産収支状況書の写し
  • □ 窓口で相談する場合は、事前に電話して日時を決めておく

関連する記事

相談できる窓口

  • 国税:所轄の税務署(徴収担当)。猶予や分割の相談窓口は税務署の徴収担当です。国税の納税の猶予制度に関するFAQ 問1(国税庁徴収課)(2026年9月25日確認)
  • 地方税(住民税・固定資産税・自動車税など):都道府県・市区町村の納税課・収納課。
  • 社会保険料:厚生年金保険料等は日本年金機構、労働保険料は都道府県労働局。国民健康保険料・国民年金保険料は市区町村の窓口・年金事務所。
  • 生活全体の立て直しの相談:お住まいの自治体の自立相談支援機関、社会福祉協議会(生活福祉資金貸付)。
  • 法律に関わる相談先の案内:法テラス・サポートダイヤル 0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)。法テラス 相談窓口・ダイヤル一覧(2026年9月25日確認) 法テラスの使い方もあわせてご覧ください。
  • 契約・取引のトラブル:消費者ホットライン「188」。つながらない場合は、国民生活センターのバックアップ相談(03-3446-0999/平日10時〜16時)。消費者ホットライン(消費者庁)(2026年9月25日確認)

相談先の判断に迷う場合は、相談先ディレクトリに窓口をまとめています。

本記事は制度の一般的な仕組みを公的機関の公開情報にもとづいて整理したもので、法的な助言ではありません。個別の手続の可否・金額・期限は、事情や自治体の運用によって異なります。実際の取扱いは、記事末尾に挙げた窓口でご確認ください。制度・法令は改正されることがあるため、最新の内容は各公的機関の公式情報をご参照ください。

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